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ガールズスケーターの群像劇を描いた漫画 『スケッチー』第2巻が発売

ガールズスケーターの群像劇を描いた漫画 『スケッチー』第2巻が発売

約一年の延期となってしまった東京オリンピックですが、スケートボードは2016年に正式種目に採用されて以降、さまざまな媒体で見かけるようになりました。その中で、今回は漫画という日本人に親しみの深いメディアを通してスケートボードの魅力を表現している作品を紹介します。タイトルは『スケッチー』。4月20日に単行本の第2巻が発売されるとのことで、その魅力に迫っていきたいと思います。

ガールズスケーターを題材に描かれる数々の人間ドラマ

スケートボードの漫画というと、どのような内容を連想しますか。

今ならばオリンピック競技化を背景にした王道のスポーツ漫画をイメージする人が多いでしょうか。

しかし『スケッチー』は、それらとは一線を画した今までにないまったく新しいスケートボード漫画になっているのが特徴です。

その要素のひとつが、題材が“ガールズスケーター”であることです。

今でこそ社会的な認知度も上がり、スケートパークやスクールの増加によって愛好者も増えたスケートボードですが、一昔前までは「危ない・怖い・ヤンチャ」といったイメージがあり、アンダーグラウンドな要素が強かったジャンルでもあります。

そういった背景もあってか、かなり男社会の色が濃いというのが特徴でした。最近ではガールズスケーターも増えてきましたが、競技人口は今も男性の方がまだまだ多い世界です。

しかしオリンピックでは男女別でストリートとパークの2種目が開催されますし、女子は2種目とも日本勢のメダル獲得が有力視されています。中でも女子のパークの強さは群を抜いていて、現状の世界ランクは日本人がワンツーフィニッシュ、トップ10には4人もランクインしているのです。そういった時代背景もあり、ガールズスケーターは今後ますます注目を浴びていくこと間違いナシです。

それにスケートボード自体を題材にした漫画は過去にもありましたが、ガールズを題材にした作品はありませんでした。

ということは、ある意味『スケッチー』は時代の流れによって必然的に生まれたと言えるのかもしれませんね。

そしてもうひとつの特徴が、一般のスポーツ漫画とは異なった“リアルな人間ドラマ”が描かれていることです。

題材がスケートボードとなると、興味がない人は先入観だけで読む対象から外してしまう人もいるかもしれません。

しかしこの『スケッチー』には、スケートボードにまったく興味がない人でも引き込まれてしまうほど練りこまれたストーリー構成と驚きの展開が待っていて、そこでも読む人の心を掴んでしまう、そんな作品に仕上がっています。内容はアラサーの女性がスケートボードに出会い、のめり込んでいく物語になっているのですが、そこに同世代の誰もが抱えてしまうような悩みや葛藤を、漫画というフォーマットに絶妙に落とし込んで表現しているので、一般の方が読んでも共感できること必至です。

例えるならばテレビドラマ、それも民放で流れる連ドラともいえるでしょう。すでに昨年末にリリースされた第1巻は、1冊がまるまる連ドラの第1話のような構成になっていて、1冊を読み終える頃には頭の中で無意識にエンディングテーマが聞こえてきそうな、そんなストーリー性の高さを感じさせてくれます。これはスケートボードという題材選びによって高く感じてしまった読み手の敷居も下げてくれることでしょう。

第2巻の予習がてら、読んでみてはいかがでしょうか。

>>取材に基づいたリアルな描写

この記事のライター/カメラマン

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